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J.POSH SQUARE 6号

 

乳がんの診断のプロセス 番外編

認定NPO法人 J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)
理事長 田中完児

 

前回はオーソドックスな乳がんの診断方法{1.視触診、2.画像診断(マンモグラフィー、エコー)、3.細胞診、組織診}についてお話をしました。今回はその番外編です。乳がんの症状というのはみなさんにとってはどのようなイメージがありますか?恐らく乳房にできたしこりというものが一番多いと思います。しこりが乳房に触れるという状態は乳がんがそこまで成長してしまったからこそ手に触れるわけです。でももっと早い段階では手に触れない時期があったはずです。

 

このように手に触れないような乳がんを診断する方法を今回はお話をしたいと思います。例えば、手には触れず、エコーでもわからず、ただマンモグラフィーのみでしかわからないものがあります。かつてはその部位が本当に乳がんかどうか知ることが極めて難しかったのですが、現在ではレントゲンを見ながらその部位の一部をとる方法が開発されました。それが「マンモトーム」という装置です。マンモトームは特殊な持続吸引装置を利用した針生検を行うものです。

 

特にステレオガイド下マンモトームと呼ばれるものは、マンモグラフィーの撮影装置を利用し、乳房を挟みながらマンモグラフィーでしか確認できないような特に微小な石灰化のみを示す部位の診断に非常に威力を発揮します。これによって石灰化しか示さなかったごく早期の乳がんの診断が可能になり、命を救われたひとの数は計り知れません。

 

次に、乳房には全くしこりは触れないし、マンモグラフィーでもエコーでも写ってこないものがあります。それは、乳頭からの異常な血液の分泌です。このような場合には乳管(ミルクを乳首まで運ぶ水道管のような管)に超早期な乳がんが潜んでいることがあります。これを診断するには、乳管のみを特別に調べる「乳管造影」や「乳管内視鏡」といった方法を用います。乳管造影は問題となる乳管の出口(乳頭にありますが肉眼ではよくはわからないと思います)より造影剤という特殊な透明の液(レントゲンでは白く写ります)を注入して、乳管の状態を観察します。もし乳管の中にしこりや乳管の壁が狭くなったり詰まっていたりぎざぎざになっていれば、乳がんが潜んでいることがあり要注意になります。

 

もっと乳管の中の病変を直接的に観察するものに「乳管内視鏡」があります。この検査は一般的なものではありませんが、胃カメラようにして乳管内の病変を直に目で視て観察することができるます。このように診断の技術もどんどん進んでいて、近い将来さらに乳がんの診断が簡便に行える時代が来るかもしれません。