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J.POSH SQUARE 8号

 

乳がんの治療について その2

認定NPO法人 J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)
理事長 田中完児

 

前回は手術についてのお話をしました。今回は、もう一つのメインの局所の治療法である、放射線治療からお話の続きを始めます。

 

これは主に乳房温存手術で乳房を部分的に切除された場合、残りの乳房に対して放射線照射(治療)をすることです。放射線照射を行わないと残った乳房に乳がんが再発しやすく、行った場合は再発を抑える効果があることが知られているからです。

 

最近では、たとえ乳房をすべて切除した場合でも手術後の皮膚に再発しやすいタイプの乳がんがあり、そういった方には、その乳房を全部切除した後に残った胸の皮膚に予防的に放射線を照射する治療もされています。次に全身病としての乳がんの治療についてお話をしたいと思います。その方法は、血液の流れを利用して全身に行き渡る“薬”を用います。

 

乳がんは(血液の病気を除く)他のがんとは異なり、薬物による全身への効果があります。ですから、がんと言えば即“手術”というイメージは乳がんの場合は当てはまりません。さてその薬の種類には大きく分けて、ホルモン作用薬(通常、ホルモン剤とよばれるもの)と化学療法剤(通常、抗がん剤と呼ばれているもの)、分子標的薬(ハーセプチン)があります。これらの薬剤は個々のケースによって使い分けがされます。その判断の基準となる因子は、女性ホルモンの受容体(ホルモンレセプター)や特殊な抗原(HER2抗原:ハーツー抗原)ががん細胞に存在するか否か、閉経の前か後か、転移再発の危険が高いか低いか、です。

 

例えば、ホルモン剤はホルモンレセプターのある人に使用します。この場合、閉経前と後の人とでは使用する薬剤が多少異なります。また化学療法剤は、ホルモンレセプターのない人とあっても転移再発の危険の中等度から高い人には使用します。ハーセプチンはHER2抗原が強度にがん細胞に発現している人で転移再発の危険の中等度から高い人に使用します。

 

以上、簡単に乳がんの治療方法について説明しました。ここに述べたのはほんの一部ですが、詳細にお知りになりたい場合は書籍などもたくさん出版されていますので、ご参考になさってください。