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J.POSH SQUARE 13号

 

マンモグラフィ検診の“利益”と“不利益”

認定NPO法人 J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)
理事長 田中完児

 

乳がん検診特にマンモグラフィ検診は、乳がんの早期発見に不可欠です。こんな中、“マンモグラフィ検診は必要ない?”と言わんばかりの報告?が米国から2009年11月に発信されました。

 

これは米国だけでなく、世界中を巻き込大きな話題となりました。ことの真相は、2010.11.16.に「合衆国予防医療タスクフォースUSPSTF(United States Preventive Services Task Force)」が、

 

1)40-49歳では定期的なマンモグラフィを実施すべきではない。

2)50-74歳には定期的なマンモグラフィの実施を勧める。
 ただし、頻度は毎年である必要はなく2年に1回でよい。”といった内容を公表したためでした。

 

つまりは、マンモグラフィ検診は積極的に行わなくてもよい、というニュアンスのものでした。それ以前はというと、“40歳以降は毎年マンモグラフィ検診を受けることを勧める。”といったものですから、180度の方向転換とまではいきませんが、かなりのドラスティックな内容でした。

 

当然、マンモグラフィ検診で乳がんが早期に発見されて命拾いをされた方も多くおられるわけですから、全米で女性団体やいろいろな団体から非難を浴びることとなってしまったのです。USPSTFが言いたかったのは、マンモグラフィ検診を、受診者にとっての“利益”と“不利益”のバランスからみた場合、上記のような結論に至ったというものです。これらの“利益”とは乳癌による死亡率の減少であり、“不利益”とは検査による偽陽性が高いため、不必要な精密検査が行われ、精神的なダメージや経済的なダメージを来すということです。

 

そんなわけでこの大騒動も最後にはオバマ大統領がことの収集に乗り出し、“マンモグラフィへの保険給付を40歳以上で保証する“との声明を出し一件落着となり、結果として何も変わらず“大山鳴動して鼠一匹”といったことになりました。

 

これを受けて日本では、今まで通り40歳以上に2年ごとにマンモグラフィ検診を行う、ということになったのです。でも最後に明言しなければならないことは、日本ではこのようなことが問題視される以前のマンモグラフィ検診率の低さがあります。このことを日本の女性だけではなく全国民が肝に銘じておくべきことだと考えます。

 

 

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