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J.POSH SQUARE 14号

 

乳癌の薬物治療の新しい選択指針について

認定NPO法人 J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)
理事長 田中完児

 

乳がんになってしまって治療を受けるとなった時にどんな治療法があるのか?みなさんはご存知ですか?

 

これについてはJ.POSH squareの7, 8号に連載してお話をさせていただきました。要は、乳がんの治療法は大きく分けて、1.手術2.放射線治療3.薬物治療、三種類から成り立っています。今回はこの中でも薬物の治療について、特にどんな基準で薬物を選択するか?についてお話をしたいと思います。

 

世界的な薬物治療の選択基準は、腫瘍の大きさ、腋(わき)のリンパ節へのがんの転移の程度、がんの悪性の程度、ホルモンレセプターの有無、がん細胞の増殖の強さの程度、血管やリンパ管などへの浸潤の程度、などを考慮に入れて、これに基づいて、ホルモン作用薬(女性ホルモンを抑える薬)・化学療法剤(いわゆる抗がん剤)・ハーセプチン(分子標的薬と呼ばれる薬)をいろいろと組み合わせて投与されています。

 

最近では遺伝子の分野の研究が進み乳がんを分子のレベルで(molecular)分類(subtype)を行って治療法を決めてゆく方向に向かっています。この分類には4つのタイプがあります。みなさんもこれから耳にするかもしれませんのでこの4つの名前を挙げておきます。和訳については読み方のみを記載していますが、

 

1.luminal A type(ルミナルA型)

2.luminal B type(ルミナルB型)

3.HER2 type(ハーツー型)

4.basal type(ベーサル型)

 

です。もう少し詳細に説明しますと、

 

1.はエストロゲンレセプター陽性(+)&HER2抗原陰性(−)

2.はエストロゲンレセプター陽性(+)&HER2抗原陽性(+)

3.はエストロゲンレセプター陰性(−)&HER2抗原陽性(+)

4.はエストロゲンレセプター陰性(−)&HER2抗原陰性(−)(triple negative type)

 

となります。この4つに乳がんを分けてそれぞれにあった薬物の選択が行われようとされています。しかし実際に使用する治療薬については主治医の先生からの情報と説明をもとに相談をされて進めて行かれることが大切です。