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ピンクリボンNEWS japan 4号(vol.2 no.1)

 

Angie! You are so great!  ─ Angieの快挙 ─

認定NPO法人 J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)
理事長 田中完児

 

乳がんについての最近のニュースと言えば、やはりマスコミを騒がしているAngie(アンジー)ことAngelina Jolie(アンジェリーナ・ジョリー)(38才)のことです。ご主人はイケメン俳優のBrad Pitt(ブラッド・ピット)で、6人の子供さんがいることでも有名です。世間の話題となっているのはNew York Timesが2013年5月に掲載したAngieのProphylactic mastectomy(予防的乳房切除)についての記事が発端でした。38才(乳房切除当時は37才)の若さで乳がんになるリスクが高いということで乳がんにもなっていないのに両方の乳房を切除したということでした。当然、乳房を摘出した後の乳房は形成手術によって再建されています。将来乳がんになるリスクの高い人に対して乳がん予防の手段の一つが“予防的乳房切除”ですが、これについては1996年当時から欧米ではすでに議論され周知の事実でした。日本はというと、いろいろな理由で欧米の後塵を拝しているといったところでしょうか。でもすごいのは、乳がんの専門家が17年の歳月をかけて世間に訴えてきたもののなかなか伝わらなかった“予防的乳房切除”という言葉が、有名芸能人の一つの行動によって瞬く間に世界中に認知されたということです。

 

これをアメリカのニュース番組で聞いたときには正直驚きました。その理由の一つはアンジーが乳房切除をした!という事実と、二つ目はなぜ切除することを決断したのだろう?!という疑問からでした。後者については、如何に乳がんになる遺伝的素因が高いとはいえ、乳房切除を決断できる人はそう多くはないと思うからです。当初の報道ではアンジーのお母さんが56才で卵巣癌(乳がんを引き起こす遺伝子であるBRCA1は卵巣癌の発生にも関わる遺伝子です)で亡くなっていることが一つの理由と伝えられていました。しかし、実はこれ以外にも彼女を強く決意させる何かがあるに違いないと思っていました。そんな中、2013.5.26におばさんが乳がんで亡くなったとの訃報が報道され、やはりアンジーには私たちの想像を越える乳がんに対する切実な恐怖感にも似た警戒心があったことを改めて知りました。

 

今回の報道でアンジーの受けた手術、つまり“予防的乳房切除”という言葉が日本社会でも広く認知されたことは疑う余地もありません。私が見たアメリカのニュース番組では、アンジーの予防的乳房切除を取り上げると同時に、遺伝子テストには約3,000ドルの費用がかかること、カウンセリングはこの料金には含まれないこと、このアンジーのような例は稀なケースであること、つまりすべての女性が乳がんに罹患する前に予防的乳房切除が必要であるかのような極端な発想をしないようにとの意味を込めていたのでしょう。

 

何はともあれ、いろいろなことを私たちに問題提起をしてくれたアンジーに改めて驚きです!
“Angie! You are so great!” (アンジー!君は偉大だ!)