乳がんについて

『乳がん大事典』

乳がんにつきましては、「一般社団法人BC Tube編集部」(公式HPを下記に掲載)が作成された『乳がん大事典』の動画・解説がとても分かりやすいため、こちらに共有させて頂いております。

乳がんの症状、検査、治療、遺伝についてなど、検診を受けようとする方、治療中の方、治療後の方、ご家族の方、乳がんを学びたい方、様々な方に向けた動画があります。 乳がんの知識を深めるためにお役立て下さい。

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乳がん用語

診断・検査に関する用語

視触診 乳房全体を目で見て、手で触って、乳房の形・皮膚・乳頭・乳輪に異常がないかしこりがあるかどうかを診断する方法です。乳がんで最も基本的な検査です
マンモグラフィ検査 乳腺・乳房専用のレントゲン撮影で、乳房を挟みながら圧迫して、上下方向から1枚左右方向から1枚(合計2枚・両方の乳房を撮影する場合は合計4枚)撮影します。 触っても判らないような早期の小さな乳がんは勿論、しこりを作らない乳がんを白い影(腫瘤影)や非常に細かい石灰砂の影(微細石灰化)として見つけることができます。超音波検査と比較して、2~3倍の乳がん発見率がある有効な検査方法です。
超音波(エコー)検査 乳房に周波数の高い超音波を送波する機械を当て、乳房内部から返ってくる音波の変化をコンピューターで画像に変化させて、その断面図を見るものです。 検査自体も容易で全く痛みもなく、検査費用も比較的安価であるという利点がありますが検査結果にばらつきがあるという問題点もあります。 穿刺吸引細胞診 細い注射針をしこり(腫瘍)に刺し、中の細胞を取り出し顕微鏡で見る検査です。
穿刺吸引細胞診 細い注射針をしこり(腫瘍)に刺し、中の細胞を取り出し顕微鏡で見る検査です。
細い針で、ごく少量の組織を取って検査します。
注射と似たものなので、麻酔をすることはありません。
細胞を直接検査できるので、良性か悪性かの診断をほぼ確定することができます。
分泌液細胞診 乳頭から出ている分泌液を取り、その中にある細胞の性質を顕微鏡で検査する方法です。
針組織診(針生検) 特殊な機械と少し太めの針を使った組織診です。
メスでの切除に比較して安全性が高く、短時間でしかもキズがほとんど残りませんが局所麻酔を行います。
マンモトーム 針生検の一種。ヘアピン位の太さの針に、管をつけた針を組織に刺し、吸引を行いながら、さやのような管をスライドさせて、組織を切り取って調べます。
腫瘍マーカー

血液の中を流れている腫瘍に関連した、又は腫瘍自身が作り出している特殊たんぱく質、糖たんぱく質のこと。
腫瘍マーカーは、術後に再発したかどうかを知るためや、再発がん治療中に薬剤が効いているかどうかを知るために用いられる。

乳管内視鏡検査 乳管の中にカメラ(内視鏡)の付いた細い管を入れて、乳管の内部を映し出します。
カメラで、乳頭へのがんの進展状況や、乳管の中に発生した小さながんの状態を直接観察したり、乳管内から直接、細胞を採取することも出来ます。
乳管造影撮影 乳管内に造影剤を注入して、乳管をレントゲン撮影し、乳管に異常な個所がないかを検査する方法です。
サーモグラフィ 乳房表面の皮膚温度を測定して、乳がんを診断する器械。
骨シンチ アイソトープ検査のこと。
骨転移の有無を調べるために行います。ごく微量のアイソトープ(放射性同位元素)を血液に注入しそれが組織に沈着する様子を、ガンマカメラという特殊カメラで撮影します。
CTスキャン コンピューター断層撮影のこと。
レントゲンカメラを体の周囲に回転させて撮影し、体の輪切り像を描き出す検査法です。
MRI 磁気共鳴検査のこと。細胞の中の水素原子が磁気に反応する原理を応用して組織の状態を画像にする検査法です。
病理検査 局所麻酔をかけ、しこりの一部を摘出して調べる検査法です。
センチネルリンパ節 見張り役を担っているリンパ節

手術・治療に関する用語

非浸潤がん 病理組織学的に定義された早期がん。がんが、乳腺組織内に留まっている、つまり乳房を越えて腋窩リンパ節や他の臓器に転移していることがないことが、病理組織学的に証明された早期がん乳管や小葉の中に留まった状態のがん
浸潤がん 上皮の層から周りの組織内まで入り込んで発育するがん
パジェットがん 乳首の皮膚付近の乳管から発生する非浸潤がん。
乳首の皮膚がタダレたようにジクジクしてくるのが特徴的。
術前化学療法 手術に先立って化学療法を施すこと。
原則として
  • 腫瘍が大きく手術で切除するのが困難なため、まず薬剤
  • 放射線で腫瘍を縮小させて手術する場合。
  • 乳房温存療法を行うために、腫瘍を縮小させる場合。
乳房切除術 乳房全体を切除する手術方法
乳房温存術 しこりを含む乳房の一部だけを切除する手術方法
術後乳房放射線照射 乳房温存術を行った後の残った乳房に、乳がんの再発予防のために行う。
腋窩リンパ節 腋窩リンパ節は、脇の下のリンパ節のこと
乳房再建 失われた乳房を希望によって、手術により乳房の形を作り直すこと。方法としては、人工物を挿入する方法と、自分の体の一部を胸部に移す方法があります。タイミングとしては、乳房の手術と同時に行う一期的再建と乳房の手術後、一定の期間を経て行うニ期再建がある。
リンパ浮腫 手術した側の腕に、リンパ液や血液の流れが阻害されることによって起こるむくみ
臨床病期分類 病期(ステージ)は、がんの広がり具合や進行程度のこと。病期分類(ステージング)は、しこりの大きさ、乳房周辺のリンパ節への転移状況遠隔転移の有無をもとに、乳がんの進行度を分類すること。TNM分類ともいう
原発巣 最初にがんのできた場所
再発 一度消失したように見えた乳がんが、再び姿をあらわすこと
局所再発(転移) 最初にあったがんのごく近くである、乳腺・皮下組織などからの再発のこと。
遠隔再発(転移) 骨、肺、肝臓、脳など、乳房以外の多臓器にがん細胞が広がること。
予後因子 予後は、がん患者さんの手術後の経過のこと。予後因子は、予後が良いかどうかに影響する因子のこと。
予後因子の基本的な要素は
  • 患者さんの状態(年齢、体力、免疫力など)
  • がんの進行度(腫瘍の大きさ、リンパ節転移個数など)
  • がんの悪性度
術後生存率 生存率は、対象となる集団の患者数に対する生存患者数の比率のこと。
リスクファクター 危険因子のこと。疾患の発症に影響していると思われる因子のこと。

術後補助療法(化学療法・ホルモン療法)に関する用語

化学療法 抗がん剤を用いて、がん細胞を攻撃して死滅させる治療法
内分泌療法 ホルモン療法のこと。乳がんの発育を促すホルモン(エストロゲン)の反応を抑えてがん細胞の発育を抑制する治療法
HER2タンパク がん細胞の表面にある「増殖に必要なえさを取り込むための手(受容体)」のこと
エストロゲン 乳がんの発育を促す卵胞ホルモンのこと。主に卵巣、少量は副腎皮質でつくられる女性ホルモン
ホルモン受容体 ホルモンと反応する受容体。エストロゲン受容体(ER)または、プロゲステロン受容体(PgR)
補整具 手術後の乳房の変形を補うための人工乳房、パッド、専用下着などのこと
アロマターゼ 体の脂肪組織、副腎、卵巣に存在し、男性ホルモンをエストロゲンに変換する酵素

その他・用語

QOL Quality Of Lifeの略。患者さんの日常生活の質の意。
ホリスティック治療 全人的医療のこと。
インフォームド・コンセント 「説明と同意」と訳されます。
セカンドオピニオン 最初の診断結果や治療法に納得できない時や、疑問が残る時に別の専門家の意見を求めること。