乳がんのしこりの感触を知るための「乳がん触診ミニモデル」完成
「より多くの皆さんに乳がんのしこりを実感して頂きたい」。J.POSHが乳腺専門医の監修の下で製作を進めてきた、しこりを体感することができる「乳がん触診ミニモデル」がこのほど完成しました《写真》。同モデルは直径8センチのおわん状で、感触は成人女性をイメ-ジした軟らかさです。指で押すとごりごりした乳がんのしこりと同様の固い感触を体感することができます。J.POSHはこのミニモデルと、乳がん自己検診解説パンフレット「Mamma Check Day」(マンマチェックデー)をセットしたキットを作りました。マンマとはラテン語で乳房のことです。病院や市役所・区役所窓口やヘアサロン・エステサロンなど、特に女性が多く集まる場所に置いて頂きたいと考えています。イベント等で用いられる乳房の形のモデルは常設するには少し違和感がありますが、このタイプなら男性も含め抵抗感なく、より多くの皆さんに体験して頂けると思います。
国内外の臨床試験の結果から、医師や患者自身による視・触診のみでは死亡率を下げることはできないとされ、乳がんの早期発見のためにマンモグラフィや超音波を用いた画像検診の可能性が探られています。一方で、自分で行う視・触診の有効性が否定されるものではありません。
患者の65%が自分で気付き来院
ピンクリボンNEWS(2014年春号)に寄稿して頂いたブレストピアなんば病院乳房腫瘍外科の古澤秀実医師は「当院のデータでは、リンパ節転移のないステージⅡまでなら,手術から5年後で97%以上、10年後でも92%以上の患者さんがお元気でした。リンパ節転移のないステージⅡというのは最大の腫瘍径が触診で5センチまでを意味します。この患者さんたちの65%の方が画像検診ではなく、ご自分で乳房の変化に気づいて来院されていました。さらに、「これだ」と教えられれば分かる方も含めると80%以上がご自分の指で感じることができました。このことから、自分で行う視・触診は乳がん検診の大切な一つの方法であることが分かる」と強調されました。
「Mamma Check」習慣付けを
こうした見解も踏まえ、J.POSHは「私は何の症状もないし大丈夫」と思い込み、乳がんに無関心な方々にこそ触診ミニモデルでしこりを実感してもらおうと、「Mamma Check習慣運動」を展開することを決めました。一人でも多くの皆さまに関心をもってもらい、Mamma Checkを習慣付けて頂きたいと願っています。