日本乳癌学会の若手 グループ(MI RAY1) の活動について 〜サマーセミナーの活動を中心に〜
福島県立医科大学
乳腺外科学講座
立花 和之進
日本乳癌学会への新入会数は2010年をピークに減少しています。これからの日本の乳癌診療の未来を考えていく上で、人材の確保や育成は大変重要な課題であることが浮き彫りとなっています。日本乳癌学会では、2023年にこれらの問題解決のため、日本乳癌学会会員サービス小委員会主導のもと、全国の若手学会員53名で構成されたMIRAY1(Multi Institutional bReast cAncer Young team No.1)(みらいわん)という若手医師の会を2023年に立ち上げました。MIRAY1は乳腺診療を支える若い人材、若手乳腺診療医、メディカルスタッフ一人一人が、希望ある乳癌診療の未来を描ける世界を実現するために、活動することになりました。
MIRAY1の活動の一つとして、全国の医学生、初期研修医を中心としたセミナーを企画しました。これまで学会主催でのセミナーはなかったため、まずは乳癌診療に興味を持っていただくこと、そして、全国の若手医師同士が地域の枠を超えて交流できる場を提供することが重要と考えました。
企画内容として…
医学生、初期研修医を対象とした対面式でのサマーセミナーを実施し、乳腺外科の魅力をアピールすることで、乳腺外科医としてのスタートアップやキャリア形成を支援する。
サマーセミナーでは、乳房超音波検査、針生検体験、電気メス体験、縫合体験などのハンズオンセミナーを行うとともに、乳腺診療に携わる医師としてのキャリアプランについての講演やグループワークでの症例検討を行う。
アンケートを実施し、今後のセミナーに向けての改善点を検討する。
上記の3つの内容で企画したところ、無事に日本乳癌学会の理事会で承認されたため、いよいよ第一回のサマーセミナーを開催するための準備がはじまりました。セミナーは、MIRAY1の公式LINEやポスターにより告示しました。
会の概要です
時期:2023年9月9日(土)
場所:ふくしま医療機器開発支援センター
(福島県郡山市)
募集人数:30名
タイムスケジュール:
10時00分〜 イントロダクション、セミナーの説明、自己紹介など
10時30分〜 ハンズオンセミナー
・縫合実習
・電気メス体験
・乳房超音波検査と針生検体験
13時00分〜 レクチャー
・増田慎三先生「日本乳癌学会はみなさまの熱い志を応援します。」
・増田紘子先生「MIRAY1があなたのキャリアアップをサポートします。」
14時10分〜 グループワーク
16時30分〜 修了式+アンケート
第一回ということもあり、手探りの状況での準備となりました。しかしながらMIRAY1のチームメンバー、ふくしま医療機器開発支援センターの担当者、日本乳癌学会の事務の方々すべての方が同じ方向を向き、若手のために良いものを作り上げていきたいという熱意のもと、短期間ではありましたが準備が進みました。
前日に福島県に台風が到来し、どうなるかわからない状況でしたが、無事にサマーセミナーを開催することができました。ハンズオンセミナー、グループディスカッションも非常に盛り上がりをみせ、参加者の方々のエネルギー、講師の先生方のパッションがうまく溶け込んだという感触がありました。
終了後のアンケートでも、参加者の方の満足度は非常に高く、今後継続していくべきとの思いを強く持ちました。
今回のサマーセミナーでは、開催時期や時間の配分など、実際おこなってみての改善点が浮き彫りとなりましたので、第二回以降で改善しながらよりよい会としていきたいと考えています。